2011年04月27日

ブラスアンサンブル考

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先週の土曜日は日比谷公会堂でビッグバンドフェスティバルがあるはずだったのですが、日比谷公会堂が急遽補修工事をする事になり延期に。
予定が空いたので、聴きに行きたかった大学オケの先輩がやっているトランペットアンサンブルのコンサートに行ってきました。
私が学生の頃から活動していて、もう20年にもなる団体です。
演奏はとても素晴らしく、楽しめました。

基本的にトランペット(バストランペットも含む)のみの団体なので、既存のレパートリーには限りがあり、初期の頃は出版されてる曲も演奏されていましたが、最近の演奏会では全て出演者が編曲されています。


学生時代にブラスアンサンブルをやっていて、ずっと「またやりたいなぁ」と思っているので、コンサートを聴いていると、
「私ならブラスアンサンブルのアレンジをどう書くか?」
という事をついつい考えてしまいます。

--

私がブラスアンサンブルで演奏したいと考えているのは、私が自分のビッグバンドで演奏している音楽と同様で、モダンジャズやそれ以降のジャズを基本とする音楽です。
(学生の時も同じ発想でやろうとしていました。ジャズスタンダードをアレンジしたり、「Liberty City」や小曽根真さんのソロピアノの曲をトランスクリプションしたりとか。)

「さっさとアレンジを書いてまずは音を出してしまえば…」とも思うのですが、色々問題になるだろう点を考えるとなかなか難しいのです。

課題を整理するために、予想される問題を挙げると、

[1] 適度な休みを確保した上で、どうリッチなハーモニーを作るか?
[2] グルーブをどう作るか?
[3] 1曲の中でどう展開を作るか?
[4] (ブラスアンサンブルのみでステージを構成する場合、)ステージ全体の展開をどう作るか?

というところでしょうか。


[1]について。

今、私がビッグバンドのアレンジで好んで書くハーモニーは、9th,11th,13thのテンションを含むハーモニーです。
(確か、学生時代に読んだ渡辺貞夫さんのジャズスタディでは、「ハーモニーの構成音の周波数比が複雑になる→リッチなハーモニー」と表現していたような気がしていたのですが、今ジャズスタディが手元に無いので確認出来ていません。どうっだったろう?)

それをブラスアンサンブルで実際に出すとすれば、最低でも6人が同時に音を出していなければならないので、休みのパートを含めればどうしても8〜10人位まで増えてしまいそうです。
(少ない人数でも演奏するフレーズでハーモニーを表現出来ればOKか?とも思うのですが、その制約がアレンジのバリエーションの幅を狭めてしまいそうです。)


[2]について。

・マーチのように頭打ちと裏打ちの組み合わせでグルーブを作る。
ハーモニーは頭打ちの根音と裏打ちのそれ以外の音で作る事になるでしょう。
市販されているブラスアンサンブルにはこういう曲が多いように思います。
ブラスアンサンブルで演奏される市販のジャズの曲のアレンジも、その延長線上で処理出来る比較的古いスタイルのジャズが多い気がします。

・サンバにする。
マーチと同じような人員の割き方でグルーブに変化を付けられるかも知れません。

・スイングにする。
4ビートのベースラインをTubaやB.Trbでずっと演奏するのは…大変でしょうね。
また音価が短くなれば、それだけモダンな感じからは遠くなるような気がします。
(…そんな事はないですか?)
ただ、ベースラインだけで和声感をある程度出せれば、ハーモニーに割く人員は減らせるかも知れません。

・ファンクにする。
ベースパターンに休符を上手く織り交ぜられるので、ブレスを取りやすいという意味でも有効な気がします。

後は、
・メロディーの譜割りをグルーブが出しやすいように他の譜割りとバランスを取る。
・床を足で踏み鳴らすか、吹いていないときに手を叩くか…。

どれを取っても休み無く演奏するのは大変なので、ベースパターンが無くなるところをどうするかが難しい気がします。


[3]について。

ビッグバンドであれば、Sax,Trp,Trbの3種類を組み合わせることで音色に変化を付けられるのですが、ブラスアンサンブルは全て金管楽器なので音色の変化を付けるのが難しいですね。

・人数の少ない部分と多い部分を作って変化を付ける。
([1]と関係してくる。)
・楽器の組み合わせを変えたり、Trp→FlhやTrb→Eupの持ち替えをしたり、ミュートを使うことで音色を変化させる。
・テンポを変えたり[2]のバリエーションを組み合わせることで変化をつける。
(ただ、これを1曲の中で多用すると[4]で困るかも知れない。)


[4]について。

・テンポを変えたり[2]のバリエーションを組み合わせることで変化をつける。
・大幅に編成の違う曲を用意する。
(降り番が出ればステージのペース配分が楽になるかも知れない。)

…位しか思いつきません。
ここが一番難しいところだと思います。

正直、ブラスアンサンブルのステージは、聴いている人からすると、「サウンドのバリエーションが少ない」と感じる事が多いと思います。


その辺を考えると、私が今ブラスアンサンブルをやるとしたら、自分のビッグバンドのライブの中で、1曲か2曲くらい4Trps+4Trbsのみの編成の曲をやるという形でしょうか。
(他にブラスが休みの曲を作ると、更にサウンドのバリエーションが出るかも知れませんね。)

…他に「こういうのがあるよ。」というアイディアがあれば、教えて頂けると嬉しいです。

--

…と、随分長くなってしまいましたが、

私のビッグバンドのライブまで1週間を切りました。

4ビートだけでなくラテンやファンクも、
ジャズスタンダードも私のオリジナル曲も、
オーソドックスなサウンドからコンテンポラリーなサウンドまで、
様々なタイプの曲を演奏しています。
(残念ながらブラスアンサンブルはありません。まだ。)

是非お越し下さい。
宜しくお願いします。


5/3(火)羽毛田耕士ビッグバンド@新宿SOMEDAY
開場18:45 開演19:45
チャージ¥3,465(税込み)
羽毛田 耕士(tp,comp,arr)
萱生 昌樹(as,ss), 菅野 浩(as), 吉本 章紘(ts,fl), 中江 裕気(ts), 鍬田 修一(bs)
仲 兼一郎(tp), 上石 統(tp), 赤塚 謙一(tp)
榎本 裕介(tb), 川原 聖仁(tb), 小林 稔(tb), 朝里 勝久(btb)
板垣 光弘(p), 芹澤 シゲキ(b), 粕谷 謙介(d)

http://someday.net/
http://yasushihaketa.com/bigband/
posted by はけた(^-^) at 12:22| 東京 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
オミットしていい音を上手く選べば、少人数で複雑なハーモニーを鳴らすことは可能かと。ギターなんかはマックスでも6声だし。
あと、テューバ吹きの立場から言えば、大人数のブラスをアンプラグドで一人で支えるのはキツイかな。PAを使うのが前提なら平気ですが。

羽毛田ブラス、早く実現してほしいです。
Posted by マツナガ at 2011年04月27日 23:38
ギターに関しては、音色が関係している気がします。
例えば、ギターならOKなボイシングをそのままピアノで弾いた場合、私はよりサウンドが薄くなってしまう印象があります。

後は、同時発音数が少ないがために「オミットしていい音を上手く選ぶ」という作業が、アレンジの幅を狭くする要因の一つではあると思います。
ビッグバンドのアレンジをしていてもその問題にはぶつかる事もあるので、(そして、その際にコードサウンドを思い描いていたものよりも簡略化して妥協する事も多いので、)それが小編成になるとどうなるか…というのは頭の痛い問題です。

最終的には、書いてみて問題にぶつかってみる事が解決の近道なのかも知れませんね。
…頑張ります。
Posted by はけた(^-^) at 2011年04月29日 08:23
人数を少なくして複雑なコードサウンドで成立させる方法の一つとして、「トランペットを少なくする。」という方法もあるとは思っています。
同じボイシングならロー・インターバル・リミットに近づく方がサウンドがギュッとつまった感じになる気がします。

私、トロンボーンアンサンブルはとても好きなんですよね。
…トランペットなんていなくて問題ない、と思うくらいです(^-^;。
Posted by はけた(^-^) at 2011年04月29日 08:41
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